妊娠期間は自分のお腹の中で徐々に成長していく赤ちゃんとの対面を待つ幸せな期間のはずですが、何となく気分の落ち込みを感じるなど、情緒不安定になる妊婦さんも多いものです。
妊娠中に起こる情緒不安定、いわゆる マタニティーブルー について原因と症状、改善策を知ることで、自分の状態を冷静に捉え、少しでも症状を軽減し、妊婦生活を楽しんでもらいたいと思います。
マタニティーブルーを知って乗り越える
マタニティーブルーとは
妊娠期間中、または出産後まもなくのうちに情緒不安定になることをマタニティーブルーといい、約30%の人が経験すると言われています。
出産後のマタニティーブルーは産後10日以内に自然と症状が消えていくものですが、妊娠中のマタニティーブルーは妊娠判明後すぐの妊娠初期から妊娠後期まで続くこともあります。
マタニティーブルーの原因
妊娠と出産によって、通常時とはホルモンの分泌状態がかわります。妊娠時は通常時に分泌されているエストロゲンとプロステロンという二種類の女性ホルモンのうち、エストロゲンの分泌が止まります。
出産後は逆にプロステロンの分泌が激減します。このホルモンバランスの崩れが精神にも影響を及ぼすことで、マタニティーブルーの症状が生じます。また、妊娠中に生活が制限されることへのストレスや、妊婦として、母親としてのプレッシャーや不安を感じることも原因となります。
マタニティーブルーの症状
マタニティーブルーは、物事を否定的に考えがちになる、感情の浮き沈みが激しくなる、というのが典型的な症状です。現れる症状は人によって様々ですが、気分の落ち込み、食欲の減退、過食、不眠、過眠、イライラする、急に悲しくなり涙が出る、不安を感じる、好きなことに興味がなくなる、周囲の人に攻撃的になる、といった症状が現れます。
妊娠初期は、流産の危険もあり赤ちゃんも安定しないことや、つわりの不快症状に苦しむ人が多いこともあり、マタニティーブルーの症状も出やすい時期になります。妊娠中期は安定期と言われる通り、赤ちゃんの状態も安定し、つわりもなくなる人が多いこともあり、身体的にも精神的にも落ち着く時期で、マタニティーブルーの症状も落ち着くことが多くなります。
出産も迫った妊娠後期になると、出産への恐怖、出産後の育児への不安感も増すことで、再びマタニティーブルーの症状も出やすくなります。また、季節の変わり目には体調の変化とともに気持ちが沈みやすくなりマタニティーブルーになりやすくなります。
マタニティーブルーの程度には個人差があり、全く感じないまま妊娠、出産を終える人もいます。なるかどうかはその人の対人関係やもともとの性格にも左右され、心配性な人、几帳面な人、真面目な人、責任感の強い人、悩みを周囲の人に相談できない内向的な人の方がなりやすいようです。
ただ、妊娠前に明るく元気な人でもマタニティーブルーになることもあり、誰もがなる可能性はあります。
マタニティーブルーの予防と解消
ホルモンのバランスの崩れによるマタニティーブルーは予防することができませんが、マタニティーブルーの要因でもあるストレスやプレッシャーを軽減することはできます。自分自身の心がけとしては、全て完璧を求めないようにする、妊娠中ならではの楽しみを見つけるといったことです。
悩みや不安を相談できる相手を作る、家族や身近な人にマタニティーブルーの原因と症状を事前に説明しておき理解してもらう、など周囲の人の支えを得ることもストレスの軽減になります。また、体と心はつながっているので、基本的な生活を見直し、体調を整えておくことも大切です。
妊娠中は自律神経のバランスが崩れやすいので、十分な栄養と睡眠を摂り、身体を冷やさないようにします。妊娠初期はあまり過度な運動はできませんが、適度な運動をすることも良いでしょう。
ウォーキング、マタニティースイミング、マタニティーエクササイズ、マタニティーヨガなど妊娠中にもできる運動も様々あります。
マタニティーヨガはリラックスと精神的な安定を得られる時間にもなりおすすめです。身体を動かすことで心もすっきりしますし、筋力アップ、体力アップは安産にもつながります。
まとめ
マタニティーブルーを知って乗り越える
マタニティーブルーとは
マタニティーブルーの原因
マタニティーブルーの症状
マタニティーブルーの予防と解消