健康な女性の平均的な生理は、生理開始日から約14日間の低温期のあと排卵があり、高温期へと移行します。高温期は更に約14日間続き、また低温期に戻り次の生理が始まるといったサイクルとなっています。
ところが何らかの理由で 高温期 に 生理 が始まってしまうことがあります。排卵のあとも高温期が続くのは妊娠している時ですが、妊娠の可能性がないのに高温期が続くのはなぜでしょうか?
高温期の生理は要注意!
なぜ体温が上がるのでしょうか?
高温期は黄体ホルモンの分泌が増え、子宮内膜を増やす時期で黄体期ともいいます。黄体ホルモンは受精卵が着床しやすい環境をつくる働きをしていています。この時期は、子宮内膜は柔らかくなり体温も上昇して、やって来た受精卵を迎える準備をするのです。
しかし、高温期がきてから2週間程度たっても受精卵の着床がなかった場合、増えた子宮内膜は剥がれ体温も下がり始めます。そして次の生理となるわけです。
高温期の体温は人によって様々ですが、低温期より0.5度ほど上昇します。体温計は小数が二桁以上表示されるもので測定しなければ基礎体温の変化は確認できないので注意しましょう。
高温期の生理
生理は、高温期に蓄積したものを外に出すという役目があることから考えると、高温期が続いている状態で生理がくることは、通常ではありえません。それでは、高温期に生理が始まった場合はどのような理由が考えられるのでしょうか?
まず、一番可能性が高いのは妊娠しているということです。妊娠すると生理は止まり、高温期がしばらく続きます。この場合、生理だと思った出血は実は生理ではなく着床出血だったと考えられます。
着床出血は生理より出血量が少なく、期間も2~3日で終わるのですが、妊娠を疑っていない場合は生理だと勘違いして、もっと後になってから妊娠と気付くこともあります。
次に考えられるのは、基礎体温の測り間違いです。基礎体温は朝目覚めてからすぐに寝転んだままの状態で測るものですが、日によってトイレなどに行ってから測ったり、測り忘れて少し動き回ってから測ったりしていると、身体を動かしてからの体温は上昇しがちなため正確な基礎体温とは言えません。
また、気を付けたいのはホルモンの異常や病気の可能性です。黄体ホルモンの過剰な分泌でおこる黄体依存症は体温の高温期とPMS(月経前症候群)の症状が続きます。出血はありませんが茶色い色のついたおりものが出ることがあります。
高温期の生理は実は、生理ではなく別の理由がある出血かもしれません。不正出血の起こる病気で考えられるのは、子宮筋腫、子宮内膜症、子宮がんなどがあります。どれも強い生理痛があったり、貧血があることもあります。
その他の可能性
高温期が続き着床しても受精卵はそれ以上成長することができず、流産となってしまうことがあります。これを化学流産といいますが、この初期段階の流産では身体に現れる症状がほとんど見られないため、流産したことも気付かないこともあります。
化学流産は流産した後の生理で受精卵は流れてしまいますが、しばらくは高温期が続きますので、体温が高い状態での生理となります。
また、子宮外妊娠の場合も生理予定日頃に不正出血があります。子宮外妊娠は子宮内腔以外の場所に受精卵が着床してしまう妊娠です。
放っておくと卵管破裂などを起こし命の危険が生じますますので、早急に処置が必要です。子宮外妊娠の症状と生理との違いは、子宮外妊娠の場合の少量の出血が継続し、受精卵の成長とともに腹痛の痛みが強くなっていきます。
妊娠検査薬で陽性反応が出た場合は妊娠しているということなので、それ以降の出血には十分注意が必要です。出血の量が多い場合や痛みが伴う場合は、すぐに病院で診てもらいましょう。
まとめ
高温期の生理は要注意!
なぜ体温が上がるのでしょうか?
高温期の生理
その他の可能性