長くて辛い分娩を無事終えて、赤ちゃんとようやく対面することができたのに、陣痛のような激痛は、まだ終わってはくれません。
赤ちゃんが出て胎盤などの後産が終わり、ホッとするのもつかの間、次は 後陣痛 が始まります。痛みが続く期間や度合いには個人差がありますが、分娩当日から2~3日は痛みが続くことが多いようです。
いつまで続くの?後陣痛による出産後の痛み
後陣痛はどうして起こるのでしょう?
自然分娩では分娩の準備が完了すると、子宮は赤ちゃんを押し出すために収縮し始めます。陣痛はこの子宮が収縮する時に起こります。赤ちゃんが外に出ると、今度は赤ちゃんが入っていたため、大きくなった子宮が元の大きさに戻ろうと収縮を始めます。
そのため一旦治まった陣痛の痛みが再び訪れることがあり、これを後陣痛と言います。子宮の収縮が活発なほど痛みは強くなるため、産後の回復には必要な痛みだと言えます。痛みはスピード出産や多胎児など、子宮への負担が大きくなるほど強くなる傾向があります。
また赤ちゃんがお乳を吸うと子宮を収縮させるホルモンが分泌されるため、下腹部がギューと絞めつけられるような痛みが加わることがあります。後陣痛は痛みが強いほど子宮の回復が早く進みます。
お産で体力を消耗し、産後は数時間おきに授乳が必要な赤ちゃんの世話、加えて後陣痛が始まると気力も体力も限界だと感じるかもしれません。
しかしほとんどの場合、後陣痛の痛みのピークは分娩当日か翌日で、あとは徐々に痛みは弱まり退院する頃には気にならない程度にまで回復します。入院中は極力、自分の体力を回復させる事に集中して無理をしないようにしましょう。
経産婦の方がつらい後陣痛
後陣痛は出産経験が多いほど痛みが強く出る傾向があります。これは初産婦に比べて、出産にかかる時間が短いため、陣痛によって一気に収縮するため、元の大きさに戻ろうとする力も一気にかかるためだと考えられています。
しかしその分、子宮が元の状態に回復するのも経産婦の方が早いと言えます。一般的な痛みの目安は、一人目はなんとなく痛い程度、二人目は生理痛程度、三人目以降は陣痛と同じぐらいだと言われています。出産回数が多い産婦は、食事もできず夜も眠れなくなるケースもあります。
後陣痛を緩和させる方法
後陣痛は生理的なものですから、通常は痛みがあっても治療は行いません。しかし痛みが余りにも強く眠れない場合や全く動けないような場合は、がまんせずに医師や看護師に相談してみましょう。
症状によっては、痛みを緩和させるために授乳に影響が出ない程度の鎮痛剤が処方されたり、分娩後から投与されている子宮収縮薬を中止させるといった方法が取られます。
自分でできる方法としては、お腹を温めると血行が良くなり痛みが緩和されますので、腹巻やカイロを使って冷やさないようにしたり、枕や座布団をお腹に当ててうつぶせ寝をすることでも効果があるようです。
産褥体操で子宮復古を早めましょう
産褥体操は産後すぐから始められる、ベッドの上でできる軽い運動で、疲労や子宮の回復に効果があると言われています。産後1週間は呼吸法や足のストレッチで筋肉の疲れをほぐします。
その後、徐々に身体を伸ばしたり、ねじる運動を取り入れ、骨盤が開き歪んだ身体のバランスを整えていきます。ベッドで寝ているだけよりも、寝ころんだままできる運動をするだけで、子宮の回復は早まり後陣痛の痛みが続く期間も短くなる傾向があります。
ただ、帝王切開で出産した場合や会陰裂傷などで深い傷を負っている場合は、必ず医師に産褥体操することが可能かどうか確認をしましょう。場合によっては傷口を広げてしまうので、注意が必要です。
まとめ
いつまで続くの?後陣痛による出産後の痛み
後陣痛はどうして起こるのでしょう?
経産婦の方がつらい後陣痛
後陣痛を緩和させる方法
産褥体操で子宮復古を早めましょう