基礎体温とは、婦人体温計を使い口腔内ではかる体温をいいます。基礎体温を継続して記録しておくことで、妊娠の有無だけでなくホルモン分泌の状況を知ることができるのです。
今回は、 基礎体温 が 高い 状態の時に考えられる原因と妊娠との関係を解説します。
基礎体温が高い原因と妊娠との関係
基礎体温についての基本知識
妊娠を希望する人にとって、排卵の有無を知っておくことは非常に大切です。毎月生理がきているからといって、排卵があるとは言い切れません。排卵の有無を確認するためにも基礎体温を測ることは有効な手段と言えるでしょう。
基礎体温は正しく計測することが大切です。毎朝、目を覚ましたらすぐに婦人体温計を舌下に入れて5分間計測します。布団から出たり、起き上がったりしてしまうと正確な計測ができません。婦人体温計の目盛は、一般的な体温計よりも細かくつくられています。
一般的な体温計で0.3度程度上昇したとすれば、婦人体温計では6目盛程上昇します。排卵前の体温が低い時期を低温相、排卵後の体温が高い時期を高温相といい、高温相は2週間程度続きます。
多少のずれはあったとしても、高温相と低温相の2つがあれば排卵があると考えていいでしょう。
基礎体温と妊娠の関係
基礎体温を継続して記録したものを基礎体温表といいます。基礎体温表をみると、一般的な排卵周期であれば、生理の2週間ほど前から高温期が始まり、体温が下がると生理が始まるものです。
これは、生理が始まる2週間前に排卵がおこり、排卵後に卵巣からプロゲステロンが分泌されたことが原因と考えられます。プロゲステロンには、体温を上げる働きがあるのです。
妊娠していない場合は、プロゲステロンの分泌は生理が始まる前に止まるため基礎体温も下がります。しかし、妊娠した場合には、プロゲステロンの分泌が継続されるため基礎体温は高温の状態が続きます。妊娠した時には妊娠14週ごろまで高温期が続くでしょう。
つまり、基礎体温の高温状態が2週間以上続き、生理がこないときには、妊娠の可能性が考えられるのです。基礎体温表を作成することで、早く妊娠に気がつくことができます。
基礎体温が高い状態が続く原因
基礎体温の高い状態が続き、生理がこないならば妊娠が原因と考えられます。しかし、妊娠の可能性がないときには、他の原因を考えてみましょう。
妊娠していないにも関わらず生理がこないときには、無月経の可能性が考えられます。無月経の場合、ホルモン分泌の障害が原因となっていることもあるため基礎体温表をつけていても、高温相と低温相がわかりにくいことがあるのです。
無月経の原因が排卵障害によるものならば、ホルモン療法や排卵誘発による治療に期待ができます。
また、自分では「基礎体温の高温相が続いている」と思っていても、実は高温相ではなく低温相のまま継続している状態を誤解している可能性もあるのです。基礎体温の高温相と低温相との差があまりないようであれば、ストレスや睡眠時間に気をつける必要があります。
もしも3カ月以上基礎体温表に2つの相がみられなかったり、無月経が続いたりするようであれば婦人科を受診するようにしましょう。受診する際は記録してきた基礎体温表を持参します。
自分の生理が変だと思ったら、まず生理の記録と基礎体温表をつけるようにしましょう。生理の周期が長かったとしても、はっきりと基礎体温表に高温相と低温相が確認できれば心配はいりません。
生理の周期が短かったとしても、排卵後2週間程度で生理がくれば問題ないでしょう。高温相が長いならば妊娠の可能性を考えますが、短いならば黄体機能不全を考えなければなりません。
黄体機能不全は、不妊の原因にもなるため妊娠を希望する人は受診するようにしましょう。
まとめ
基礎体温が高い原因と妊娠との関係
基礎体温についての基本知識
基礎体温と妊娠の関係
基礎体温が高い状態が続く原因