排卵とは、卵胞の一つが卵巣の表に出てきて、膨れ上がり破裂し、中に入っていた卵子が外に飛び出す現象をいいます。排卵は、卵巣ホルモンと関係が深く、基礎体温にも影響を及ぼします。
今回は、排卵による基礎体温の変化を利用して、 基礎体温 から 排卵日 を知る方法を紹介します。
基礎体温から排卵日を知る方法
排卵と性周期の関係
卵巣は、骨盤内の子宮や卵管と接している親指大の器官です。卵巣には、生まれた時からたくさんの原始卵胞がありますが、成長とともに減っていきます。
10歳前後になると、ホルモンの刺激によって卵巣の中で原始卵胞が成長を始めます。同時に卵胞からは、女性ホルモンである卵胞ホルモンが分泌されます。卵胞ホルモンは体に働きかけ、子宮や性器の発達、乳房の発達を助長し女性らしい体を作ります。
成長段階である卵胞は、卵子を放出する前に小さくなってしまいますが、思春期になると発育した卵胞は卵巣の表に出てきて膨れ上がり、最後には破裂して1個の卵子を卵巣の外へ放出します。これを排卵というのです。
排卵が一度起これば、女性としての体が完成したことになり、排卵は両側の卵巣から規則的に行われます。一人の女性が一生のうちに排卵する回数は、約400回といわれています。
排卵と卵巣ホルモンとの関係
排卵が起きると、卵胞から卵胞ホルモンが作られ分泌されますが、実は排卵が終わった後も、卵胞を作っていた細胞組織からはホルモンの分泌が続いているのです。
排卵後は、卵胞組織は黄色味を帯びた黄体に変わっています。黄体からは、卵胞ホルモン以外にも黄体ホルモンの分泌も始まるのです。卵胞ホルモンと黄体ホルモンは、子宮を発達させるとともに、子宮の内部の粘膜に強い影響を与えます。
卵胞ホルモンは子宮内膜を厚くし、黄体ホルモンは子宮内膜をなめらかにして栄養を貯める働きがあるのです。これらの働きによって、子宮内への着床をしやすくしています。
卵胞ホルモンも黄体ホルモンも妊娠しやすい状況を作り出す働きをしていますが、ホルモンの影響は基礎体温にも強く影響しているのです。
ホルモンと基礎体温
基礎体温とは、婦人体温計を用いて口腔内ではかる体温をいいます。一般的な排卵周期では、月経の2週間前から高温期が続き、体温が下がると同時に月経が始まるのです。これは、月経2週間前になると排卵が起こるために、体温が高くなります。
排卵後は、体温を上げる黄体ホルモンが分泌されるため、基礎体温が上昇するのです。
もしも、妊娠した場合には基礎体温は月経前と同じ高温期が続きます。妊娠によって、卵巣から黄体ホルモンの分泌が止まらないためです。この高温期は、妊娠14週まで続きますがしだいに下がってきます。
基礎体温から排卵日を割り出すコツ
基礎体温は、卵胞ホルモンと黄体ホルモンの影響によって左右されます。卵胞ホルモンが基礎体温に影響する期間は、排卵日前です。そして、黄体ホルモンが基礎体温に影響する期間は排卵後になります。
つまり、二つのホルモンが入れ替わるタイミングが排卵日になるのです。基礎体温から割り出すコツは、基礎体温が低温期から高温期に変わる日になります。
排卵は、月経周期が28日と考えるとおよそ真ん中の14日目と予測することができるため、月経開始日から数えて14日目あたりの基礎体温の変化にはとくに注意してみるといいでしょう。
基礎体温を確認することは、妊娠の早期発見にも役立ちますが妊娠に備える体作りにも役立てることができます。基礎体温が低い状態が続くようであれば、生活上のストレスや睡眠不足、栄養不足の可能性が考えられるのです。
妊娠を希望する場合は、健康状態や生活リズムを整えるように注意しましょう。基礎体温が2週間以上高い状態であれば、妊娠の可能性があります。早めに産婦人科を受診するようにしましょう。
基礎体温は、妊娠の有無の参考にはなりますが、正常な妊娠であるかは受診して確認する必要があります。
まとめ
基礎体温から排卵日を知る方法
排卵と性周期の関係
排卵と卵巣ホルモンとの関係
ホルモンと基礎体温
基礎体温から排卵日を割り出すコツ