既に妊娠、 出産 を経験している 経産婦 は、自分自身も周囲も、初産とは異なって余裕をもって出産に向き合っているようです。しかし経産婦には経産婦ならではの心配ごともあります。
経産婦ならではの悩みや問題を知っておくと、より安心して、新しい家族を迎えられます。
油断は禁物!?経産婦の出産で気をつけたいこと
経験したからと安心できない経産婦の出産
経産婦が出産が楽だと思われるのは、既に経験があり、心身共に出産に慣れていることがひとつの理由です。しかし実際には経産婦ならではの問題も少なくありません。
それは1人めの出産で生じた問題である場合や、上の子供がいるために起きる生活のケアの問題など、妊娠から出産後の生活まで多岐にわたります。
さらに経産婦、初産婦かかわらず、妊娠のトラブルはつきものです。一度経験したことで、余裕を持って出産に臨める人が多いのは事実ですが、経験を過信せず、出産に向き合うことが大切です。
経産婦の出産は楽ってほんと?
初産を経験した人なら、なかなか子宮口が開かなかったり、お産が進みにくかったりした人も多いのではないでしょうか。まだ赤ちゃんが通ったことがない母体より、二度目以降の方が赤ちゃんが通りやすく、お産にかかる時間が初産より短くなる傾向があります。
一般的には初産では平均して12~15時間程度と言われる出産時間は、経産婦なら6〜8時間と言われています。苦しい陣痛がそれだけ短くなる人が多いので、楽と言われています。
しかしこれはあくまで出産時間に限った話な上、平均的な目安に過ぎません。他にもよく言われる、産気づくのが早いという説は、根拠はあまりありません。
またつわりも軽くなるという説がありますが、これも根拠はありません。つわりは体質とも言われますが、第一子で軽かった人も重くなるというように、同じ人でも同じようなつわりになるとは限りません。
このように経産婦のお産が楽というのは、楽になる要素はあるものの、あてはまらないことも多いと考えておくといいでしょう。
出産までに上の子供とのかかわりを計画
第二子以降の出産で初めて直面することになるのが、上の子たちのお世話の問題です。特に第二子の出産の場合、初めて兄姉がいる状態での出産です。
核家族の人は父親が仕事などで、メインで家のことができないというファミリーは少なくありません。また出産の入院時にも見てくれる人がいない場合、上の子のお世話をどうするかという問題があります。
産院によっては上の子も一緒に宿泊できるサービスがあるところもありますし、身内で手伝ってくれる人やヘルパーさんなどを手配しておくと安心です。
5人目の妊娠からは助産院だけでは出産できない?
また子供をたくさん産んでいる経産婦の場合、頻産婦と言われています。日本助産師会が公開している「助産業務ガイドライン」では、頻産婦は妊娠的既往のカテゴリになり、「産婦人科医師と相談の上,協働管理すべき対象者」とされています。
これが意味するのは、出産方法や場所の選択に影響するということです。産婦人科医との連携や管理が必要なので、助産院では提携している産婦人科医と共同管理をしているところを選択することが、より望ましくなります。
<参考>
このように経産婦ならではの出産方法の選択が限定されることは、頻産婦だけではありません。初産で帝王切開だった場合には、第二子以降の出産では自然分娩を選ぶのは難しい判断となります。
現代ではVBACという方法がありますが、帝王切開時のメスの入れ方など、いくつかの条件があります。また子宮破裂というリスクも0ではなく、危険性を考慮して、対応していない病院もあります。
出産時の選択が今までの出産を踏まえての選択肢が限られるケースがあるため、希望の出産方法がある場合には、それが自分の今の状況に合っているのか、受け入れてくれる施設はあるのかと、事前に調べておく必要があります。
出産がひとりひとり違うのは子供も同じ
よく出産はひとりひとり違うのだから、人と比べる必要はないと言われます。これはまさにその通りです。どんな出産方法も母子ともに安全に出産を終えられるのが1番です。
そしてその「ひとりひとり違う」というのは子供も同じです。どの子供を産む時も同じ出産はありません。慣れや経験がある分、余裕を持って臨める経産婦の出産ですが、あくまで油断しすぎないようにしましょう。
まとめ
油断は禁物!?経産婦の出産で気をつけたいこと
経験したからと安心できない経産婦の出産
経産婦の出産は楽ってほんと?
出産までに上の子供とのかかわりを計画
5人目の妊娠からは助産院だけでは出産できない?
出産がひとりひとり違うのは子供も同じ