稽留流産とは流産の1つで、妊娠途中で胎児が死亡してしまい、子宮内にとどまっている状態のことをいいます。次の妊娠に備えるためにも手術が必要になります。
今回は 稽留流産手術 についてご説明します。流産は辛いですが、次の妊娠のためにも手術について知っておきましょう。
稽留流産手術とは?稽留流産の原因や手術について知ろう
稽留流産とは
流産とは妊娠22週目よりも前に、赤ちゃんが染色体異常などで亡くなってしまうことをいいます。流産の中でも稽留流産とは、赤ちゃんが死亡して、妊娠が継続できない状態でも子宮内にとどまっていて、自然に排出されない状態をいいます。
自然と排出されることを完全流産といい、次の妊娠に自然とつながっていくので問題ないのですが、稽留流産になると妊娠ホルモンが継続してしまうので、次の妊娠につながることがありません。
稽留流産は、自覚症状がありません。出血や腹痛などで流産が判明することが多いのですが、赤ちゃんがまだ子宮にいるために、妊娠ホルモンが分泌されます。
そのため、つわりが続くケースもあったり、基礎体温が下がらなかったりするケースが多いため、エコー検査をするまで流産していることに気がつかない妊婦が多いです。
稽留流産の原因とは
稽留流産の原因の多くは、胎児の染色体異常です。染色体異常により子宮内で育たなかったケースがほとんどです。そのほかに、子宮内の組織異常もあります。
胎盤が作られる段階で組織に異常が生じ、赤ちゃんが育ちにくい環境になってしまうことがあります。子宮自体に問題があるわけではありません。
染色体異常や子宮の組織異常による原因が多いですが、過剰な喫煙が原因ということも考えられます。煙草の有害物質は血管を収縮させる働きがあり、子宮の中の血流が悪くなります。
血流が悪くなると、酸素や栄養を正常に胎児に送ることができませんので、胎児が育たなくなる可能性もあります。
稽留流産手術が必要な理由
稽留流産になると妊娠継続ができないので、残念ですが手術が必要になります。子宮内にとどまったままになると、大量の出血や腹痛があり、危険な状態になる可能性もあります。
まれに、医師の判断によって自然に排出されるのを待つケースもありますが、基本は手術となることがほとんどです。
手術は、入院のときもあれば、日帰りで終わる場合もあります。医師の判断によりますので、入院になれば家族に協力してもらいましょう。手術の時間は10分程度と短い時間で終わります。
稽留流産手術について
手術は子宮の入り口を拡張する必要がありますので、全身麻酔になるケースが多いです。手術時間は短いので、麻酔の量はそれほど多くはありません。手術後は自然と目が覚めますが、出血をする場合もありますので、しばらくは病院で安静にする必要があります。
術後出血量など体調にとくに問題が見られなければ、医師の診断を受けて退院することが可能です。多く人が当日に退院することができます。
手術後は安静が必要
手術後は下腹部に痛みを感じる人もいます。また、しばらくは出血が続くケースもありますが、1週間以内でおさまることが多いようです。1週間以上続く、また、大量に出血することがあったら、病院を受診するようにしましょう。
短い手術ですが、術後は安静が必要です。1から2週間程度は身体が回復するまで無理をしないようにしましょう。稽留流産手術をした後でも、多くの場合が妊娠することが可能です。
手術を経験すると不安が大きくなるかもしれませんが、まずは自分の身体の回復を最優先にしましょう。
稽留流産は手術をしなければならないので、妊婦は気持ちだけでなく、身体にも負担が多くかかってしまいます。しかし、次の妊娠のためにも手術は必要です。流産は決して珍しいものではなく、多くの妊婦が経験しています。
原因は胎児の染色体異常というケースが多いです。万が一流産ということになっても、自分を責めずに、次の妊娠に向けて前向きに手術を乗り切るようにしましょう。
まとめ
稽留流産手術とは?稽留流産の原因や手術について知ろう
稽留流産とは
稽留流産の原因とは
稽留流産の手術が必要な理由
稽留流産手術について
手術後は安静が必要