絨毛膜下血腫 とは、なんらかの原因で子宮内に発生する血腫のことです。流産や早産をはじめとした妊娠中のトラブルとの関連が考えられるため、極力安静が必要になります。
では、絨毛膜下血腫と診断された場合には、特にどのような妊娠中のトラブルがおき、どのようなことに注意が必要なのでしょうか。
絨毛膜下血腫と妊娠中のトラブルの関係
絨毛膜下血腫とは?
妊娠は、赤ちゃんの卵がお母さんの子宮内に着床することで成立します。妊娠すると、赤ちゃんは絨毛という根を張って胎盤を作成していきます。
この際に、なんらかの原因で絨毛膜と子宮内膜の脱落膜の間に出血がおきてしまうことがあります。
通常は出血が少量のため、時間の経過とともに自然に身体へ吸収されていきますが、体内に吸収されず、血腫として残っている状態を“絨毛膜下血腫”といいます。
絨毛膜下血腫の症状は?
絨毛膜下血腫はエコー検査で発見される場合が多いのですが、血腫の大きさなどにもよりますが、この血腫が見つかったからといって急いで手術などをおこなう必要はないといわれています。血腫は自然に体内へ吸収される場合もあるからです。
ただし、血腫が大きい場合や血腫が存在している位置によっては、出血の恐れがあり、出血量が多くなると腹部の腫れや腹痛を引き起こします。
血腫が存在しているからといってかならず流産になるというわけではありませんが、血腫のない人と比べると流産や早産のリスクが高まり、また破水の可能性も高まるといわれているため、注意が必要です。
絨毛膜下血腫は妊娠初期から中期に注意!
絨毛膜下血腫がエコー検査で確認された場合には安静が必要となりますが、出産が終わるまでこの状態かといわれると、必ずしもそうとは限りません。多くの場合には、妊娠4ヶ月から5ヶ月までに体内に吸収されるといわれています。
そのため、妊娠中期頃までは日常生活内で少し我慢が必要になってきます。エコー検査で血腫の消失が確認されると、通常通りの日常生活も送ることができるようになり、上にお子さんがいる方では上のお子さんと遊ぶこともできたというケースもあります。
ただし、一度は血腫が確認されているわけなので、日常生活を送りながらも体調の変化には目を光らせておくことをおすすめします。
絨毛膜下血腫に治療法はある?
絨毛膜下血腫に有効とされている治療法はないといわれています。
基本的には安静にすることで症状をやわらげることができます。また、なるべく安静に過ごすことで出血などのリスクも抑えることができるといわれています。
エコー検査で絨毛膜下血腫が確認された場合には、家事や育児などをパートナーや家族の助けを得ることで無理をしないことが大切です。
血腫が小さい場合などには通常の生活を送ることも可能ですが、血腫が大きい場合や血腫の存在する位置によっては入院が必要になる場合もあります。
絨毛膜下血腫と診断されたら安静に
絨毛膜下血腫と診断された場合にはとても不安に思われる方も多いと思います。流産や早産などのリスクが高いといわれていますが、なかには通常通りに妊娠・出産をされているかたもいます。
特に妊娠初期には不安が多いと思いますが、不安になりすぎてストレスを溜めすぎることは身体によくないので、特にお医者さんから注意を受けていない場合には安静を心がけながら普段通りに生活しましょう。
ただし、無理をしすぎてしまうと症状を悪化させてしまうこともあるので、安静を第一に考えて生活をすることをおすすめします。
また、絨毛膜下血腫は流産や早産のみならず、早期胎盤剥離や妊娠高血圧症、子宮内胎児発育不全などとの関連もあるといわれているので、出産が無事に終わるまでは体調管理をしっかりとおこないましょう。
少しの変化でも感じられた場合には担当のお医者さんと相談をすることも大切です。
まとめ
絨毛膜下血腫と妊娠中のトラブルの関係
絨毛膜下血腫とは?
絨毛膜下血腫の症状は?
絨毛膜下血腫は妊娠初期から中期に注意!
絨毛膜下血腫に治療法はある?
絨毛膜下血腫と診断されたら安静に