現代では晩婚化の影響で高齢出産の人数が増加傾向にあります。高齢出産で考えなければならないのが胎児のリスクです。「うちの子は大丈夫?」と不安に思う人は初期胎児ドッグを受けましょう。
検査結果次第では絨毛検査を受けるよう勧められます。 絨毛 検査 とは何でしょうか。
絨毛検査で心配事をなくそう
絨毛検査とは?
絨毛検査とは出生前診断の一つです。まずは初期胎児ドッグを受けます。初期胎児ドッグとは超音波検査と特殊な血液検査を組み合わせたもので、ダウン症など胎児の先天性異常をみつけることができます。
初期胎児ドッグを受けることができる人は妊娠11~13週の妊婦、35歳以上の妊婦、染色体異常の子を出産した経験のある妊婦が対象です。しかし、これらの条件に当てはまらなくても希望すれば初期胎児ドッグを受けることができます。
この初期胎児ドッグで先天性異常がみられると診断されると次の検査へと勧められます。この次の検査が絨毛検査や羊水検査なのです。絨毛とは妊娠早期の胎盤の一部のことです。この組織を採取することで、胎児の染色体異常や遺伝子疾患をみつけることができます。
絨毛検査には2つの方法があります。
経腹法
- 腹壁から注射針で絨毛の組織を採取する方法
経膣法
- 膣から子宮頚管にカテーテルを挿入し絨毛の組織を採取する方法
経腹法と経膣法のどちらを用いて絨毛組織を採取するかは胎盤の位置によります。
絨毛検査と羊水検査はどう違うの?
絨毛検査も羊水検査も初期胎児ドッグで異常がみつかった場合に次のステップとして受ける検査のことです。絨毛検査は妊娠10~14週の妊婦が対象ですが、羊水検査は妊娠15~20週の妊婦が対象です。
結果を早く知りたいのであれば絨毛検査を受けることをお勧めします。絨毛検査は胎児の組織ではなく胎盤の絨毛と言う組織を採取するので胎児がどれだけ元気に動き回ったとしても針が胎児に当たることはありません。
一方、羊水検査は羊水に到達するまで深く針を挿します。検査できる項目は羊水検査のほうが多いです。神経管奇形、二分脊椎症、無脳症などは羊水検査でないと診断できません。流産のリスクについて絨毛検査は1%、羊水検査は0.3%と言われています。
羊水検査は検査を受ける妊娠週数が15~20週と妊娠中期に受けるため胎児も大きくなっています。検査結果が陽性の場合、中絶を考えているのであれば人工中絶が可能な21週までに検査を間に合わせる必要があります。
人工中絶を考えている人は検査結果が早くわかる絨毛検査を選ぶほうがいいのかもしれません。絨毛検査も羊水検査も費用は10~20万円ほどかかります。
羊水検査は比較的周知されており実施している病院も多いでしょうが、絨毛検査は羊水検査ほど知られていないので実施している病院とそうでない病院とがあります。まずは絨毛検査を受けることができる病院を探しましょう。
絨毛検査のリスク
妊娠9週以前の早い時期にこの検査を受けてしまうと手足の形成に影響を及ぼすと言われています。そのため妊娠10週以降であることが検査を受ける必要条件となりました。
絨毛検査には約1%の確率で「染色体モザイク」と呼ばれるものがあります。これは胎児には全く異常はないのですが胎盤の構造だけに異常があることです。染色体モザイクが疑われる場合、絨毛検査の後に羊水検査を行う必要があります。
絨毛検査も羊水検査もリスクがあります。出血、腹痛、破水、子宮内感染、経腹法の場合は腸管損傷も考えられます。流産のリスクも考えなければなりません。絨毛検査は羊水検査よりも早く受けることができますが、その分流産のリスクも高くなります。
夫婦でよく話し合おう
絨毛検査は胎児に先天性異常があるか調べる検査です。胎児に異常がみられた場合中絶を考えている人は早く診断される絨毛検査を選ぶ人が多いようです。しかし「もし検査内容が間違っていたら?」と思いたくなるのも事実でしょう。
「胎児にリスクがあっても生んで育てよう!」と夫婦共に思われている場合、検査を受けない方が良いでしょう。なぜならこの絨毛検査は母体にも胎児にも少なからずリスクがあるからです。夫婦でよく話し合い絨毛検査を受けるかどうか決めましょう。
まとめ
絨毛検査で心配事をなくそう
絨毛検査とは?
絨毛検査と羊水検査はどう違うの?
絨毛検査のリスク
夫婦でよく話し合おう