妊娠中は多くの女性が痔に悩まされます。いつもと同じように排便したら便器に大量の血があり不安だという女性もいるでしょう。 痔 による 出血 だと恥ずかしくてなかなか相談しづらいものです。
まずは痔について知り、自分でできるケアから始めてみてはいかがでしょうか。
痔による出血、これって大丈夫?
痔とは?
痔とは肛門やその周辺の疾患のことを意味します。痔には大きくわけて三種類あります。
いぼ痔
いぼ痔は血管がうっ血してできるものです。妊娠し子宮が大きくなることで直腸や肛門周辺の血管が圧迫されてしまうことが原因だと考えられています。いぼ痔には肛門内部にできる内痔核と肛門外部にできる外痔核とにわけることができます。
内痔核は血管が多く集まっている部分にできるので排便時に強くいきむと大量に出血する場合があります。内痔核は痛みを感じることはありません。
外痔核は肛門付近にできるため痛みや違和感があります。肛門付近を触るといぼのようなものに触れることができます。外痔核も排便時に出血があります。
切れ痔
硬くなった便を押し出そうと力強くいきむことで肛門周辺が切れて切れ痔を引き起こします。出血はトイレットペーパーに付くくらいの少量ですが、痛みを強く感じます。
切れ痔の傷は小さいのですが、痛みを強く感じるため、傷が治るまでは排便を我慢してしまいまた便秘になるという悪循環となりやすいです。
穴痔(痔ろう)
肛門が細菌感染することで膿が溜まります。この膿を出そうと直腸と肛門周辺の皮膚がつながりトンネルのような状態になることを穴痔と言います。
妊娠中の女性がなりやすい痔は「いぼ痔」と「切れ痔」です。妊娠中はプロゲステロンという女性ホルモンが多く分泌されます。プロゲステロンは腸の動きを鈍らせるため妊娠中便秘になりやすいのです。この二つの痔の改善方法はどのようなものがあるのでしょうか。
改善方法
血行を良くする
妊娠中はお腹が大きくなり運動を怠りがちです。そうすると血行が悪くなり痔は改善されません。適度な運動、シャワーだけで済ますのではなくしっかり入浴する、身体が冷えないように気をつけるなど血行促進に努めましょう。
排便後は清潔に保つ
患部を強くこすらない、シャワートイレを使用するなどして清潔に保ちましょう。外痔核や切れ痔になると痛みを感じシャワートイレを上手く使用できないかもしれません。シャワートイレの強さや洗浄位置を変えて優しく洗いましょう。
食生活の改善
水分や食物繊維をしっかり摂る、香辛料など辛い物を食べないなど便をやわらかくし患部に刺激を与えないような食生活を心掛けましょう。
長時間座ったままや立ったままなど同じ姿勢でいない
長時間同じ姿勢でいるとうっ血してしまいます。仕事を続けている人も空き時間にウォーキングやストレッチを行いましょう。また座る時にドーナツクッションを使用すると良いでしょう。
薬による治療
上記の改善方法を試しても改善されない場合、かかりつけ医に相談し薬を出してもらいましょう。多くの場合、軟膏を処方されるでしょう。
市販薬もありますが、自己判断で購入するのではなく必ず薬剤師に相談し妊娠中でも使用できるものを出してもらいましょう。その薬にステロイド剤が配合されていないことをしっかりと確認しましょう。
出血した時の注意点
妊娠中の出血は注意しなければなりません。切れ痔だと思っていたら子宮からの出血だったということも考えられます。出血が肛門からなのか膣からなのかしっかりと確認しましょう。
また、お腹の張りや痛みがないかも確認しましょう。自分ではよくわからないと不安な場合はすぐに産婦人科医に相談しましょう。
まとめ
痔による出血、これって大丈夫?
痔とは?
改善方法
薬による治療
出血した時の注意点