出産は妊婦にとっても、赤ちゃんにとっても大仕事です。たとえ安産であったとしても、初めての出産の場合は特に出産に時間がかかり、妊婦にも赤ちゃんにも負担が大きくかかります。
自然分娩の場合でもこのような状況の中、出産間近や分娩中のトラブルで 異常分娩 になったらと考えると不安でいっぱいになってしまいます。
しかし出産にトラブルは付き物です。色々なケースがあり異常とはいっても、その度合いも小さなものから命にかかわるものまで様々です。こんな時はどうすればよいのかを知れば、もしもその時がきた時にあせらずに対処することができます。
異常分娩の対処について
どのような分娩が異常なのか?
通常の分娩は、妊娠37週を過ぎて自然に分娩が始まり、膣から赤ちゃんが誕生するという流れとなっています。赤ちゃんの大きさや妊婦の体格などで出産にかかる時間や労力はさまざまですが、医師や助産師が医学的な手助けをしなくても無事出産できた場合は正常分娩と言えます。
一方、異常分娩とは正常分娩ではない分娩全てをさします。「娩出力」「産道」「胎児および付属物」の3つの要素のいずれかに問題があって、母体や胎児に危険性がある場合と定義されています。
原因は一つではなく、色々な要因が重なっていることも多いため、医師や助産師は経過を診ながら判断していきます。
異常分娩の種類
異常分娩とは、難産であることの他に、分娩後の母体の損傷も含まれます。異常分娩になる理由は多種多様ですが、難産の件数として多いものとしては「微弱陣痛」「児頭骨盤不均衡」「逆子」「前期破水」「吸引分娩」などがあります。
また母体の損傷には「癒着胎盤」「分娩時母体損傷」「子宮弛緩出血」「頚管裂傷」などがあります。
異常分娩になると分娩時間が長くなります。あまり長時間になると赤ちゃんに十分な酸素が届かなくなり、仮死状態になったり、障害が残る原因となる可能性があります。また母体にとっても子宮や膣を傷つける可能性が高くなり、合併症や産後の回復に影響を及ぼします。
異常分娩の全てではありませんが、このように危険度が高いと判断された場合、帝王切開となります。
異常分娩と給付金
自然分娩は病気ではないので健康保険や医療保険では対象外ですが、異常分娩の場合、症状によっては保険の対象となる場合があります。
帝王切開の場合は必ず保険対象となりますが、それ以外にも「吸引分娩」や「前置破水」でも対象となることがありますので、契約内容を確認してみましょう。
医療保険の場合は「いつ契約したか?」ということが重要です。妊娠前に加入していると異常分娩も給付対象となる可能性がありますが、妊娠してからや過去に帝王切開を経験してからという場合は「部位不担保という条件付きでの加入」となり、給付金は支給されません。
異常分娩をふせぐ方法
異常分娩は妊娠中の生活改善である程度リスクを減らすことができます。胎児の体重は4000gを超えると巨大児といわれますが、実際は3500g以上あると産道を通りづらくなり、吸引分娩や帝王切開になる可能性が高くなります。
巨大児になる原因は妊婦の生活習慣によるところが大きく、妊婦の食生活や運動量を改善することで、胎児の大きさもある程度コントロールできます。
逆に1500g未満の低出生体重児の場合は、早産や胎盤早期剥離といった異常の要因となります。胎児が低体重になる原因は妊婦の過労やタバコの喫煙などによるものが多く、血行不良のため支給に送る血流が減り栄養が行き届かなくなることが考えられます。
妊婦の体重が妊娠によって急激に増えると産道が脂肪で狭くなり胎児が外に出にくくなってしまいます。また、運動不足による筋力が低下すると「娩出力」(赤ちゃんを押し出す力)が弱くなり、微弱陣痛となってしまいます。
出産に備えて生活改善することで、妊婦にも胎児にも出産をできるだけ少ない負担でおこなう環境をつくりましょう。
まとめ
異常分娩の対処について
どのような分娩が異常なのか?
異常分娩の種類
異常分娩と給付金
異常分娩をふせぐ方法