胞状奇胎という言葉をご存知ですか?妊婦さんの400人に1人の確率でおこる異常妊娠です。確率が低いのでなかなか知っている人も少ないというのが現状です。
今回はあまり知られていない 胞状奇胎 の 原因 は何かについて説明します。
あまり知られていない?胞状奇胎の原因は何?
まずは胞状奇胎とは何か知ろう
普通の妊娠は精子と卵子が受精して受精卵から胎児と胎盤になる絨毛組織が発育していくのですが、胞状奇胎はこの絨毛組織が正しく育つことができずに絨毛部分が水ぶくれのような状態になってしまうことを言います。
絨毛は細かい毛に見える組織で母体から酸素や栄養を吸収する大事な役割を持っています。しかしこの絨毛だけが異常繁殖をすると絨毛組織が子宮内部を占領してしまう形になります。
胞状奇胎の原因とは何か
胞状奇胎の原因は遺伝ではないということ以外はっきりとした原因はわかっていません。胞状奇胎がおこってしまう原因として1個の卵子に2個の精子が入ってしまうことや受精した時に精子のみが分裂し増殖してしまうことがあげられます。
しかしその原因は未だ詳しくはわからず、染色体異常からくるものではないかと言われています。染色体異常なので残念ながら予防方法もありません。インターネットなどでは冷えやストレスが原因だと話している所もありますが、根拠がないのが現状です。
胞状奇胎には2種類もある
胞状奇胎には全胞状奇胎と部分胞状奇胎と2種類あります。
全胞状奇胎は受精した時に母親のDNA卵子がなくなって父親側のDNA精子のみが作られる状態のことを言います。
この場合は胎芽の成長も見られずに子宮内が絨毛でたくさん埋められていて受精卵へ栄養がいかなくなってしまいます。この場合は胎芽が成長しないので妊娠の継続はできません。
もう1つが部分胞状奇胎です。部分胞状奇胎は全体ではなく一部に絨毛は増殖していることを言います。一部だけに絨毛が増殖しているので受精卵が成長することができます。部分胞状奇胎も基本的には妊娠継続は難しいですが、場合によっては妊娠を継続することもできます。
胞状奇胎の症状とはどんなもの?
胞状奇胎の症状をいくつか説明します。
1つ目はつわりが重いことで、正常な妊娠よりもつわりが酷くあらわれる人が多いようです。2つ目は出血です。茶色いおりものや鮮血のような出血がでたら要注意です。またまれに絨毛のぶどうのような組織が膣から外へでてくる人もいます。その場合はすぐに病院を受診するようにしましょう。
3つ目は高血圧、むくみ、たんぱくの症状があらわれます。妊娠高血圧症候群と似た症状になるので早めの対処が必要です。胞状奇胎は感染症や合併症も引きおこすので気をつけましょう。
近年では超音波検査で異常が早く発見できるようになりました。症状がよくわからなくてもこうした検査によって早期治療をすることができます。
放っておいてはいけない胞状奇胎
胞状奇胎になってしまった場合は妊娠を継続することを諦め速やかに治療を行う必要があります。放っておくと絨毛がんになってしまう恐れがあるからです。
その場合、さいあく子宮全摘出手術を行わなければいけなくなります。妊娠を希望していても妊娠をすることすらできなくなってしまう可能性があるので早めの診察、受診、治療が必要になってくるのです。
手術を行った後は経過が良くてもしばらく経過観察を続けなければいけません。妊娠を望んでいても半年~大体1年間は避妊をしっかりとしましょう。医師から許可がでると次にまた妊娠をすることは可能です。
一度胞状奇胎になってしまったから再び胞状奇胎になるということはありません。心配せずに自分の体を大事にしながら過ごすようにしましょう。
まとめ
あまり知られていない?胞状奇胎の原因は何?
まずは胞状奇胎とは何か知ろう
胞状奇胎の原因とは何か
胞状奇胎には2種類もある
胞状奇胎の症状とはどんなもの?
放っておいてはいけない胞状奇胎