妊婦さんのうち500人に1人はなってしまう胞状奇胎を知っていますか?中には妊娠後、突然医師から言われて不安を感じる人もいることでしょう。
今回はそんな不安を抱えている人のために、 胞状奇胎 を詳しく説明します。
不安を抱えている人のために。胞状奇胎を詳しく説明
あまり知られていない胞状奇胎とは何か
精子と卵子が受精すると受精卵になり、受精卵が子宮に着床して妊娠が成立します。妊娠すると受精卵は胎児へと変化する胎芽と、母体からの酸素や栄養を吸収する大事な役割を持つ絨毛にわかれます。
胞状奇胎はこの絨毛部分が正常に成長できずに水ぶくれのようになってしまうことを言います。絨毛の長い毛のようになっている組織の先部分に泡のような水ぶくれが多くできている様子がぶどうが実っている形に似ていると言われ、以前はぶどうっ子などと呼ばれていました。
どんな症状になるの?
胞状奇胎の一般的な症状は不正出血、妊娠初期からすでに血圧が高いこと、重いつわりなどがあります。受精卵が子宮の内膜に達して成長していく時から症状を感じるようになります。つわりが重くて切迫流産のような出血やおりものが出ている人は病院へ相談に行きましょう。
しかし症状から胞状奇胎に気づく人はほぼいません。近年では医学が進歩しているので病院の検査でわかる場合が多いです。病院ではエコーで組織の確認もできますし、子宮が正常な妊娠に比べて柔らかいことを知ることもできます。
また切迫流産ではhcgが減少しつわりの症状が軽くなったりしますが、胞状奇胎はhcgがずっと高いままで重いつわりが続きます。
胞状奇胎でも出産はできる?
胞状奇胎の場合はほとんどが残念ながら出産はできません。胞状奇胎には全胞状奇胎や部分胞状奇胎があります。
全胞状奇胎は卵子がなくなり、精子のみが成長していくことを言います。赤ちゃんの元となる胎芽や臍帯がないために成長をしていくことは難しいです。
部分胞状奇胎は、子宮内の一部だけがぶどう状の絨毛になっている場合です。どちらも継続妊娠するのは難しくすぐに治療や手術をする必要があります。
しかし中には胎児の心拍が確認できて、なおかつ胎児が元気な場合もあります。その場合は病院の医師と、家族でよく話し合い、胞状奇胎と共存しながら出産まで進むことができます。胎児の発達異常などの検査をしたうえで話し合い、決めていきます。
治療方法にはどんなものがあるの?
胞状奇胎の治療方法は主に3つあります。
1つ目は流産手術と同じように子宮内の除去手術を行うことです。手術でとった内容物を検査し完璧に中の内容物をかきだします。人によっては数回手術します。手術後も通院が必要でhcg量が下がれば通院の必要はなくなります。
しかし中にはhcg量が下がらずに絨毛がんなどの別の病気を発症することがあります。治療は最後までしっかりと行いましょう。
2つ目は子宮を摘出することです。子宮の内容物を除去する手術を行った時に、子宮が柔らかくなっているので出血や穴が開いてしまう場合があります。その場合は危険性がかなり高いので子宮の摘出手術を行います。
3つ目は化学療法です。hcgの数値が高いままの場合、抗癌剤の治療を行います。子宮の絨毛組織がなくなるまで治療を行うことで癌になることを防ぎます。
次の妊娠はいつできる?
次の妊娠はしっかりと治療が終わり、医師に良いと許可を出されてからになります。胞状奇胎の治療が完全に終わっていないのに妊娠してしまうと胞状奇胎が再発したのか、妊娠したのかの判断がつきにくく、時間がかかるため危険です。
病院によっては治療中の際は避妊を強く勧める所もあります。大体半年~2年前後で妊娠をしても良い許可が出る人が多いので、しっかりとまずは治療に専念しましょう。
胞状奇胎はきちんと治療しないと絨毛癌になってしまう場合もあります。まずはしっかりと治療をし、治してから次の妊娠に備えましょう。
まとめ
不安を抱えている人のために。胞状奇胎を詳しく説明
あまり知られていない胞状奇胎とは何か
どんな症状になるの?
胞状奇胎でも出産はできる?
治療方法にはどんなものがあるの?
次の妊娠はいつできる?