「貧血かも?ママも赤ちゃんも注意すべき貧血の数値(前編)」では、貧血と診断される数値についてご紹介いたしました。後編では、血液をつくるために使われるフェリチン(鉄分)につていご紹介いたします。
その他、赤ちゃんの 貧血 の 数値 についてもご紹介いたしますので、赤ちゃんの様子に注意を払うように気をつけましょう。
貧血かも?ママも赤ちゃんも注意すべき貧血の数値(後編)
フェリチン値で分かる 注意したい隠れ貧血
ヘモグロビンや赤血球数、ヘマトクリット値に異常がない場合でも、貯蔵されている鉄分の量が分かるフェリチン値が低いと、ちょっとした疲れやストレスなどですぐに貧血になってしまう「隠れ貧血」の可能性があります。
健康診断や妊婦検診ではフェリチンの検査を行っていない場合もあるため、隠れ貧血に気付かないケースもあります。
フェリチン値は50mg/dl以上であれば特に問題はありませんが、20~50mg/dlであれば食事などで意識的に鉄分を摂取する必要があり、20mg/dl以下になってしまうと鉄剤やサプリメントなどで早めに鉄分の貯蔵量を増やす必要があります。
体内の鉄分のうち、フェリチンとして貯蔵されている鉄分は全体の約25%程とあまり多くありません。妊娠中や出産時、授乳などで貯蔵された鉄分を多く使用してしまった場合、一気に貧血になってしまうこともあるためフェリチン値の測定が重要視されています。
赤ちゃんや子供にもある貧血 発達に影響がある可能性も?
WHOは生後6ヶ月~6歳までのヘモグロビンの正常値は11g/dl以下、6~14歳までは12g/dl以下を貧血と定めており、日本では生後6ヶ月~1歳6ヶ月の乳幼児の10人に1人は鉄欠乏性貧血になると言われています。
特に母乳のみの育児を行っているケースに発症例が多いと言われています。生後6ヶ月ほどまでの赤ちゃんは母乳からもらえる鉄分のみで十分ですが、それ以降になると母乳だけでは鉄分が不足してしまいます。
赤ちゃんのヘモグロビン値が10g/dl以下の状態が3ヶ月以上続くと、精神や運動の発達が遅れる可能性もあります。ゆっくりと進行し明らかな症状がないケースも多く、小児科医であっても貧血を見逃してしまうことがあります。
心配な場合は医師と相談して検査を行うことで貧血かどうか判断できます。もし貧血であっても、早めに治療を行えば発達への影響は少なくすみます。
鉄剤・サプリメントの摂取や保管には要注意
食事での摂取では過剰摂取になることはまずありませんが、鉄分不足を早く解消しようとし、自己判断で多量の鉄剤やサプリメントを一度に摂取してしまうと嘔吐や下痢、ケイレン、昏睡などの鉄中毒に陥る危険性があります。
また子供が誤って鉄剤を食べてしまった場合、体重1㎏に対して20mg以上で鉄中毒を起こし、60mgを超えた量では命の危険もあります。
妊婦用のビタミン剤には鉄分が多く含まれているものもあるため、鉄剤と合わせて子供の手に届かないところへ仕舞う、現在服用していない場合は処分するなどの注意が必要です。
また、鉄剤やサプリメントなどで慢性的に鉄分を過剰に摂取するような状態が続くと、組織や肝臓などで障害が起こる可能性があります。症状や貧血の重症度により、鉄剤により摂取する鉄分量は異なるため、医師や薬剤師に相談しながら安全に摂取できるようにしましょう。
まとめ
貧血かも?ママも赤ちゃんも注意すべき貧血の数値(後編)
フェリチン値で分かる 注意したい隠れ貧血
赤ちゃんや子供にもある貧血 発達に影響がある可能性も?
鉄剤・サプリメントの摂取や保管には要注意