女性は加齢とともに卵巣内の原始卵胞が減少していきます。すると排卵がおこらなくなり、次第に黄体ホルモンの分泌が止まって生理がなくなり、閉経を迎えるのです。
今回は「生理がなくなる」という同じ現象をもった 閉経 と 妊娠 の違い、閉経後の妊娠の可能性について解説します。
閉経と妊娠の違い・閉経後の妊娠の可能性
「更年期と閉経」とは
女性は、間脳と下垂体と卵巣系の各器官がお互いに作用しあいながら正常に働いています。その働きによって、卵巣からのエストロゲンと黄体ホルモンが分泌されるのです。ホルモンの作用によって女性は女性らしい体形や精神構造が示されています。
毎月の生理もホルモンの働きによっておこされているものです。このようにホルモンが活発に活動している時期を性成熟期といいます。
しかし、女性は加齢とともに卵巣内の卵が減り、次第に排卵がおこらなくなるのです。排卵がなければ黄体ホルモンの分泌も止まるため、生理が止まることになります。これを閉経というのです。
閉経を迎えると、女性ホルモンのみが少しだけ分泌される時期が続きますが、徐々に女性ホルモンも分泌されなくなります。そして老年期に入ることになるのです。この性成熟期から老年期へ変わる時期を更年期といいます。
近年は、栄養状態がよくなっているため閉経する年齢が遅くなり、一般的に50歳から52歳前後で閉経を迎える人が多いようです。
閉経と妊娠の違い
閉経も妊娠も「生理が止まる」という共通の症状があります。さらに更年期には、つわりに似た不定愁訴などの更年期障害という症状があるのです。そのため、閉経か妊娠かを見分けることは難しいでしょう。
しいていうならば、閉経は生理不順が続いたのちに訪れることが多いため、再び出血がみられたのならば妊娠の可能性は低いと考えられるでしょう。
閉経後の妊娠の可能性
妊娠とは、女性の体の中で無事に着床し、子宮の中で胎児が育っていくことをいいます。もしも、排卵がおきなければ着床することもないため、妊娠することはありません。閉経とは、生理がなくなっただけではなく、排卵もなくなった状態をいいます。
そのため、閉経を迎えた後は妊娠することはないといえるでしょう。しばしば「生理がなくなった」ことから閉経を迎えたと思い込んでしまう人がいますが、生理が止まっただけでは排卵がなくなったとは言い切れないのです。
更年期はホルモン分泌が不安定になるため、生理不順や無月経が起きやすくなっています。基礎体温をつけて排卵の有無を確認し、無月経が3カ月以上続くときには婦人科を受診してみるといいでしょう。
閉経後に出血があったときに考えられる病気
閉経後のオリモノに血が混じるようならば、の分泌が減少したことによって膣の自浄作用が低下していると考えられます。自浄作用が低下すると、萎縮性膣炎をおこしやすくなるのです。
初期症状は黄色いオリモノが特徴ですが、放っておくと血液が混じり始めます。子宮がんを心配する人が多いのですが、萎縮性膣炎は治療で治すことができるため、早めに受診するようにしましょう。
閉経後の出血の原因は膣炎だけではありません。女性ホルモンが入った化粧品やドリンクを飲んだときにも出血することがあるのです。原因となっているものの摂取をやめて1週間程度で出血が止まるようであれば心配いらないでしょう。
しかしそれ以上出血が続いたり、女性ホルモンを摂取していたりする心当たりがないときにはなるべく早く婦人科を受診してください。閉経後の不正出血は、子宮体がん子宮頸がんの可能性もあるため検査が必要になります。
更年期以降に排尿の後に出血するときには尿道カルンケルの可能性も考えられます。
まとめ
閉経と妊娠の違い・閉経後の妊娠の可能性と病気
「更年期と閉経」とは
閉経と妊娠の違い
閉経後の妊娠の可能性
閉経後に出血があったときに考えられる病気