HCG5000 とは、ホルモン剤のひとつで、不妊治療によく使われています。HCGには、排卵効果や妊娠を継続する効果があり、ヒト絨毛性ゴナドトロピンの略をあらわしています。
不妊治療ではよく用いられている薬のため、馴染み深いかと思いますが、副作用や使用の際に十分注意をしておこなうことが重要です。
HCG5000とはどのような薬?
HCGとは?
HCGとは、ヒト絨毛性ゴナドトロピンとよばれているホルモンです。妊娠が成立すると妊娠を維持するために必要なプロゲステロンというホルモンの排出を促します。HCGを分泌することができると、妊娠の成立や維持ができます。
しかし、なかにはHCGの分泌がうまくできいない場合や分泌量が妊娠の成立や維持に足りない方もいます。HCGの分泌量が少ないと妊娠しにくいといわれています。
HCG注射とは?
不妊の原因となるHCGの不足ですが、不妊治療のひとつにHCGホルモン注射があります。
このHCGホルモン注射はHCGホルモンを直接体内に注射することでプロゲステロンの分泌に作用します。
自分の力ではHCGホルモンが分泌しにくく、よってプロゲステロンの分泌量が妊娠に必要量分泌できないことが不妊の原因となっている場合には、HCGホルモンの注射が効果的になる場合もあります。
さらに、せっかく妊娠した場合でも、プロゲステロンの分泌量が少ないために、妊娠の継続が難しくなってしまう方にもHCGホルモンの注射によって妊娠を継続することができます。
妊娠継続以外の効果
HCGホルモンには妊娠を継続させること以外にも、排卵を促すという効果もあります。排卵期になると、卵子を排出することで妊娠の可能性をつくります。
またHCGホルモンを排卵期に体内に入れることで排卵を促す効果もあります。不妊の原因のひとつに、そもそも卵子が排卵されないということがあります。このような不妊の原因にもHCGホルモンの注射が大きく作用し、効果をあらわすことがあるのです。
HCG注射後、約36時間で排卵効果があるため、不妊治療ではこの時間を考慮して注射がおこなわれます。
HCG注射の副作用
不妊治療でHCG注射をおこなう際に気になるのが薬の副作用です。腹痛や吐き気、腰痛といった副作用はよくみられるといわれています。ほとんどの症状が軽症で済むため、特に大きく気になるといった方も少ないようです。
しかし、HCGホルモンには、卵巣過剰刺激症候群といい卵巣が過剰に刺激され、さらには腫れてしまうといった症状がおこります。
卵巣過剰刺激症候群を引き起こしてしまうと腹水のほかに胸水などの症状を併発してしまうため、重症の場合には手術などの処置も考えなければならない場合もあります。
HCG注射をこなった後にお腹や腰の痛み、またお腹が腫れる、急激に体重増加が増えるなどの症状がみらてしまうと卵巣過剰刺激症候群を引き起こしてしまっている可能性が高いため、早めに病院で検査をすることをおすすめします。
HCG注射の注意点
HCG注射には排卵を促す効果がありますが、この効果は必ずしもおきるわけではありません。そのため、注射での治療をおこなったからといって妊娠するというわけでもありません。
注射をすることで排卵を促すのであってあくまで妊娠の成立は自然にまかせるため期待しすぎてしまうと妊娠をしていない場合にショックが大きくストレスになってしまうということもあるので注意が必要です。
また、HCG注射後に妊娠したかな?と思った場合にも注意が必要です。それは、妊娠検査薬の使用する時期です。妊娠検査薬が陽性反応をだすためには、体内にHCGホルモンが多く存在する必要があります。
注射直後にはHCGホルモンが体内に多く存在します。注射をした後すぐに妊娠検査薬で検査をおこなうと妊娠をしていない場合でも陽性の結果がでてしまうことがあります。
そのため、妊娠の可能性が高いと感じた場合には注射をしてから最低でも1週間は期間をあける必要があります。
2週間以上あけて検査をするとほぼ確実に結果がでるため、2週間以上の期間をあけて妊娠検査薬を使用することをおすすめします。
まとめ
HCG5000とはどのような薬?
HCGとは?
HCG注射とは?
妊娠継続以外の効果
HCG注射の副作用
HCG注射の注意点