排卵された卵子は卵管膨大部で男性の配偶子がやってくる時を待ち、無事に着床して妊娠が成立します。卵子は、排卵されて約24時間で能力がなくなるといわれています。妊娠成立には、 排卵日 を 予測 し、タイミングよく男性から配偶子を迎え入れることが大切なのです。
体のサイクルから排卵日を予測する方法
排卵とホルモンとの関係
卵子は女性の生殖細胞が成長したものであり、卵巣の中に多数存在しています。体が成熟してくると1か月に一つずつ卵巣から排卵されるのです。卵巣は、女性の子宮や卵管近くに2つあります。卵巣には生まれたときから原始卵胞とよばれる卵子が入った袋があるのです。
その袋が、成長とともに増え成熟期には数千個までに数を増やします。10歳ごろになれば、間脳と下垂体からホルモンが分泌され、卵巣内では原始卵胞が成長するのです。同時にエストロゲンの分泌も始まります。
エストロゲンは、女性の体の発達に重要なホルモンで子宮などの妊娠に必要な器官を発育させるのです。発育を始めた卵胞は卵巣の表に出てきて、膨れ上がり、ついには破裂して内側から卵子一つを放出します。この卵子の放出を排卵というのです。
一度排卵をすれば、女性として成熟した体になったということになります。左右の卵巣から定期的に排卵が行われ、一般的に生涯で約400回の排卵があるといわれています。排卵すると卵胞からエストロゲンが分泌されます。
排卵が終わった後も卵胞を作っていた細胞からホルモン分泌は続いているのです。しかし、排卵後の卵胞は黄色くなり黄体に変化します。黄体になるとエストロゲンに加えて、プロゲステロンの分泌も始まるのです。
この2つのホルモンは、子宮を発達させ子宮内膜に働きかけます。子宮内膜を厚くし軟らかくして妊娠しやすい状況を作り出すのです。黄体の寿命は2週間であるため、寿命がすぎると白体になりホルモン分泌できなくなります。
栄養源が絶たれた子宮内膜ははがれて、血液と一緒に膣を通って排出されます。これが月経です。
月経がおきると脳が次の排卵に向けて準備を開始します。このように脳と卵巣と子宮内膜が順番に働きかけながら成立するサイクルを知っておくことで妊娠しやすい時期を予測することができるのです。
排卵の時期を予測する方法
生理周期が28日間の場合、生理が始まると同時に次の卵胞を発育させる準備が始まります。生理が終わるころにはエストロゲンの分泌が始まり卵胞を成熟させるのです。エストロゲンの分泌は2週間ほど続き、排卵とともにプロゲステロンの分泌が開始されます。
このことから、およその排卵日予測ならば生理開始日から2週間後と予測することができるのです。ホルモン分泌の変化は、基礎体温の変化から読み取ることもできます。基礎体温は、生理が始まると低温期に入ります。
低温期は約2週間続き、排卵日に一時的にさらに下がってから高温期に入るのです。基礎体温が低温期からさらに下がった日を排卵日と予測できます。
妊娠のタイミングと排卵日
妊娠を希望する人の中には、排卵日だけが妊娠のチャンスと思っている人がいるようです。しかし、女性の膣の中に入った男性の配偶子は自力で子宮の中を進まなければなりません。膣に排出されてから卵管に到達するまで、おおよそ10時間はかかるといわれています。
男性の配偶子の寿命は卵子よりも長く、長いものでは数日間は生殖能力を失わないともいわれているのです。一方、排卵された卵子の寿命は24時間程度です。男性の配偶子の寿命と卵子の寿命から考えれば、排卵日よりも早く男性の配偶子を受け入れ、排卵日を待つ方法もあります。
排卵された卵子の周囲にはたくさんの男性の配偶子が取り巻き、卵子が包まれている膜を溶かし破いて入り込みます。最初のひとつの配偶子が入り込んだとたんに卵子を覆っていた膜は変化し、他のものを受けつけなくなるのです。
まとめ
体のサイクルから排卵日を予測する方法
排卵とホルモンとの関係
排卵の時期を予測する方法
妊娠のタイミングと排卵日