妊娠中の不正出血は異常妊娠の可能性があるため、速やかな対処が必要です。とくに鮮血の出血の場合には、処置が遅れると流産にいたることもあります。
今回は、妊娠中に 鮮血 が 不正出血 する原因と対処方法について解説します。
妊娠中に鮮血が不正出血する原因と対処
早急な処置が必要な切迫流産
妊娠22週未満で母体から胎児が出てきてしまうことを流産といいます。不正出血が鮮血であると、最悪の事態を想像してしまいますが、切迫流産であれば子宮内で胎児は生きている状態のため、対処次第で助けることも可能なのです。
切迫流産は、胎盤がはがれかけてしまうため、傷口から出血することで不正出血を引き起こします。症状は、オリモノに血が混じった状態から次第に鮮血に変わっていきます。
不正出血を確認したら「胎盤がはがれかけている」ことを意識して、体を動かさないようにしましょう。そしてすぐに産婦人科を受診してください。速やかに適切な処置を受ければ流産を食い止めることも可能です。
切迫流産が進行すると、胎盤がはがれて胎児とともに出てきてしまいます。妊娠初期の切迫流産の場合は、鮮血の不正出血から始まることが多いのですが、中期以降になると羊水が出てくることから始まることもあります。
切迫流産は、胎児に原因があることもあり、その場合には助けることが難しいとされています。しかし、母体が疲れすぎていたり慢性の病気が原因であったりと母体側に原因があることも考えられます。必要に応じて、生活習慣の見直しや仕事の調整も必要でしょう。
母体にも危険がおよぶ胎盤早期剥離と子宮外妊娠
正常な妊娠を継続していても胎盤が自然にはがれてしまうことがあり、胎盤早期剥離といいます。胎盤がはがれると出血するため、胎盤から栄養をもらっていた胎児は命が危なくなってしまいます。
胎盤早期剥離の原因は、妊娠高血圧症候群といわれていますが原因がはっきりと解明されていないこともあります。胎盤早期剥離は、母体がショック状態になることもあるため、胎盤早期剥離の診断を受けた時には帝王切開で胎児と胎盤を取り出す必要があります。
子宮外妊娠は、不正出血で受診してわかることが多い病気です。正常な妊娠は、子宮内に着床しますが子宮外妊娠では卵管に着床してしまうことが多いのです。
卵管妊娠では、妊娠初期で流産することが多いため、生理がこない状態から不正出血になります。不正出血がおきる原因は、卵管妊娠でも子宮の中は妊娠したときと同じように変化していたため、流産することで不正出血がおこるのです。
流産したあとの対処
切迫流産の場合は、絶対安静にして子宮の収縮を止める処置を行います。子宮の中で胎児が亡くなっているときには稽留流産といい、人工的に胎児を母体から出す処置が行われます。流産のあとは、適切な処置を受けて処置後も1週間は安静にしましょう。
処置の後は、出血や発熱もあるため医師の許可が出てから普段の生活に戻るようにします。稽留流産の場合は、流産の原因が胎児にあることが多いため、防ぐことは難しいのかもしれません。
しかし、母体側に異常があったときには、今後の妊娠のためにも必要な治療を受けるようにしましょう。胎盤早期剥離の原因にもなりやすい妊娠高血圧症候群は、母体が努力できることもあります。
例えば、遺伝的に高血圧の家族が多い人は減塩・低カロリー・肥満に気をつけて定期検診をしっかりと受けることで早期発見することができます。
また、糖尿病患者の妊娠は流産などのトラブルがおきることがしばしばあります。妊娠中に糖尿病とわかった人や糖尿病の人は、早い段階からインスリンなどを使い血中の糖をしっかりとコントロールしてトラブルを防ぎましょう。
まとめ
妊娠中に鮮血が不正出血する原因と対処
早急な処置が必要な切迫流産
母体にも危険がおよぶ胎盤早期剥離と子宮外妊娠
流産したあとの対処