妊娠初期には、着床のときに少量の出血があることがあります。しかし不正出血には、病気が隠れていることもあり、放置しておくと不妊の原因になることもあるのです。
今回は、妊娠初期の症状と間違いやすい 不正出血 の 原因 と病気について解説します。
妊娠初期の症状と似ている不正出血の原因と病気
妊娠に影響を及ぼすこともある卵巣嚢腫
妊娠に影響を及ぼす病気は、子宮だけではありません。卵巣や卵管も妊娠に大きな影響を与えます。卵巣は、卵子を作り卵管は卵子を子宮に運ぶ役割を持っているのです。そのため、子宮と同じように卵巣や卵管も妊娠には不可欠な臓器といえるでしょう。
卵巣や卵管に異常がおこると、下腹部に異常を感じることが多いようです。卵巣は左右にあるため、ときには片方だけが痛むこともあります。
また、吐き気や腰痛などの症状の他、卵巣が腫れることによって、下腹部が膨れてくることもあるのです。
このような症状があらわれたときには、卵巣や卵管の病気の可能性を考え、早めに診察を受けるようにしましょう。卵巣や卵管の病気は、放置しておくと妊娠に影響を与えることもあるのです。
卵巣にできる腫瘍は、ほとんどが良性といわれていますが、腫瘍ができる頻度はとても高い臓器です。卵巣嚢腫は、30代から増え始めます。卵巣嚢腫は、大きくなる傾向があり、大きくなった嚢腫はときどきねじれて茎捻転を引き起こすことがあるのです。
茎捻転をおこしたり、嚢腫が破裂したりすると激しい下腹部痛や嘔吐におそわれます。茎捻転は、妊娠中期や出産時に起こりやすくなるため、事前に手術で嚢腫をとる必要があるでしょう。
妊娠時期と一致しやすい子宮筋腫
子宮筋腫は30代から50代の女性に多いため、妊娠時期と一致することが考えられる病気です。子宮筋腫の主な症状は、生理の量が多くなることと月経痛、そして不正出血です。
とくに、生理の時以外に出血する不正出血が多い場合には子宮体がんや子宮肉腫の可能性も考えられるため、子宮内膜の細胞を詳しく調べてもらう必要があります。
子宮筋腫の治療は、筋腫の大きさがこぶし大以上になったとき、不正出血や生理の出血が多すぎるとき以外は、様子を見ながら経過観察することもあります。筋腫が原因で不妊や流産が考えられる時には手術治療をすることになるでしょう。
手術には大きく2種類があります。妊娠を希望している人や若い人の場合には、筋腫核手術を行い、子宮を温存します。一番のメリットは、子宮を残せることですが、一方で手術後の癒着や筋腫の再発などのデメリットもあります。
もしも、妊娠を希望せずに子宮を残す必要がない場合、もしくは筋腫が大きかったり数が多かったりする場合には子宮全摘手術が行われるでしょう。子宮をとるため、生理はなくなり妊娠することもなくなります。
大きなデメリットは妊娠ができなくなることですが、筋腫の再発と子宮がんになるリスクがなくなることは大きなメリットと考えることもできるのです。
ホルモンの分泌異常によっておこる機能性子宮出血
不正出血の中でも、卵巣で作られるホルモンの分泌異常が原因でおこる不正出血を機能性子宮出血というのです。
たとえば、ピルを服用している場合には、少量の出血がみられることがあり、これを破たん出血といいます。
原因は明らかになっていませんが、ホルモン分泌が過剰になることが原因といわれています。また、排卵時期におこる少量の不正出血は、卵子が卵巣から飛び出すときの出血です。
不正出血がみられたときには、基礎体温を測定し生理周期と照らし合わせてみるといいでしょう。基礎体温をつけておくことで、排卵に伴う周期性の出血かを区別することができるのです。
ただし、出血量が多いときや基礎体温を数か月つけても周期的な出血ではない場合、出血と同時に臭いがする場合には病気が隠れていることがあるため、婦人科を受診することをおすすめします。
まとめ
妊娠初期の症状と似ている不正出血の原因と病気
妊娠に影響を及ぼすこともある卵巣嚢腫
妊娠時期と一致しやすい子宮筋腫
ホルモンの分泌異常によっておこる機能性子宮出血