結婚をして家族となり、新しい家族を迎えたいと考える夫婦は世界中にいます。幸せな子どもがいる家族を希望している夫婦にとって、将来を考える上で重要になってくるのが不妊の問題です。
夫婦でいる年月を重ねるうちに授からないことに疑問を感じ、不妊治療を考え始める夫婦の中には、 不妊 が 離婚 につながってしまうケースがあります。
不妊と離婚の関係
子どもを持つという価値観
夫婦になる時に、お互いに漠然としたファミリー像を語りあうのではないでしょうか。「住むところや仕事について」「お互いの両親について」「そして子どもはいつ頃持ちたいか」といった内容を話しておくことは大切です。
そうして価値観も違う別々に生きてきた人間が、新しい家族としてお互いの考えを話し合い、同じ未来を共有します。ここで夫婦関係に最も顕著に影響を及ぼすといってもいい問題が、子どもについてです。
子どもを持つかどうか、また持つというタイミングについて夫婦でズレがある場合、話し合いが必要になります。夫婦は子どもを産むためだけに夫婦になるのではありません。しかし子どもを育てることを家族の意味と考える人は多く存在します。
不妊とは子どもを持つか持たいないかではなく、持てるか持てないかという選択です。子どもを産み育てる価値観をお互い理解し、尊重しあえる環境を結婚までに構築するべきです。
不妊から訪れる離婚という選択
もし授からない場合、不妊治療へとシフトするのか、自然に任せて授からなければ夫婦で生涯を過ごすべきかを考える必要があります。またもうひとつの選択肢として、離婚という選択肢も存在します。
子どもを授からない場合に離婚を考える夫婦によって異なります。どちらかが子どもを持つ未来を絶対的な価値観として考えている場合、不妊治療に疲れてしまった場合、不妊の状況についてお互いの理解や思いやりが欠け、結果別離を選ぶことがあります。
不妊治療の精神的負荷は想像以上
価値観の相違が不妊治療に向き合って明るみ出た結果、離婚するケースがありますが、不妊治療に向き合ううちに、すれ違いが生じ、別離へと歩んでしまう夫婦もいます。不妊治療は男女ともにそれほど負荷が高いのです。
可能な限り努力をして、それでも無理なら夫婦ふたりとして生きようと決めている夫婦でさえ、不妊に対しても意識の差や互いの苦労に気づかず、自分の辛さだけに目を向けて、その結果、信頼が崩れてしまう場合もあるのです。
家族のための不妊治療が家族の崩壊へ
不妊治療と向き合ううちに、子どもを持つという意識だけが残ってしまい、本来なぜ子どもを持ちたいと考えたか忘れてしまう夫婦がいます。新しい家族を求めて、家族を愛しているから臨んだ筈の不妊治療が、離婚の原因となってしまうのは非常に悲しいことです。
失敗を繰り返し始めると原因はどちらにあるのか考え、ストレスから、お互いを心にもない言葉で罵り合ってしまうこともあります。共に不妊に向き合うべきパートナーが一番のストレスを与える存在になってしまうのです。
夫婦として支え合えるか
不妊による離婚は、お互いの価値観を認め合い、その結果同じ人生を歩めないと考え、納得したなら、悪いことではありません。しかし家族でいたいと望みながら、不妊が原因で離婚に至ってしまうケースでは、そこに至るまでの不妊治療、周囲からのプレッシャー、人間関係が絡みあって、解けなくなってしまった場合も多いのです。
不妊治療を希望しているのであれば、夫婦でお互いの不妊に対しての意識を共有しながら、支え合う関係を築くことができるか、一度考えてみましょう。夫婦の本質は楽しい時や幸せな時にはわからなかったことが、困難に立ち向かうと露呈してしまうことは多いのです。
不妊治療は夫婦の形、家族の形だけでなく、そこに対しての価値観や倫理にも影響を与えることがあります。お互いに一緒に生きていく相手として、愛情を持ち続けることができるのか、今一度、見つめなおすきっかけなのかもしれません。
離婚が決定的になる前に、自分だけが苦労していると思わず、相手の苦労を思いやれる余裕を互いに持ち続けること。それこそ不妊治療において望まない離婚を回避するひとつの方法になるのです。
まとめ
不妊と離婚の関係
子どもを持つという価値観
不妊から訪れる離婚という選択
不妊治療の精神的負荷は想像以上
家族のための不妊治療が家族の崩壊へ
夫婦として支え合えるか