会陰裂傷 って知っていますか?会陰切開と言葉が似ていますが会陰裂傷は自然に裂けてしまった傷で酷い人だと2ヶ月も入院してしまう人もいます。今回はそんな会陰裂傷と会陰切開の違いは何か、会陰裂傷になった回数でも違う治し方について説明します。
会陰裂傷と会陰切開の違いは?ランクでも違う治し方
会陰裂傷と会陰切開は違うもの
会陰切開は出産時に赤ちゃんの出口を広げるための処置方法です。会陰がうまく伸びず赤ちゃんがでてくる時に裂傷しそうな場合に事前に切開します。お産が長引いてしまい赤ちゃんや母親の体が危険な状態になった時も行います。会陰切開をすると早くお産が進みます。
会陰裂傷は出産の時に会陰部分が裂けてしまってできる傷のことを言います。この場合は裂け方もさまざまで酷い人だと直腸部分まで裂けてしまい大量出血をしてしい危険な状態に陥ってしまいます。会陰裂傷を防ぐためにも会陰切開をして裂傷しないようにする病院も多いです。
会陰裂傷の原因って何?
会陰裂傷の原因はいろいろあります。
1つ目は胎児が大きい場合です。胎児の頭や方が大きいと上手く産道を通れずに裂けてしまう可能性が高いです。
2つ目はすごい速さで分娩が進んだ場合です。お産の進行が早いと会陰部が伸びる時間がないので裂傷がおこる可能性が高くなります。
3つ目は誰にでもおこりうるいきみの強さです。いきみを調節してくれる看護師さんが未熟な場合、タイミングがずれたりいきみが強くなってしまい会陰裂傷をしてしまう可能性があります。
また高齢になるほど会陰部の伸びがうまくいかなくなり裂傷をする人が多くなります。
会陰裂傷には4度のランクがある?
会陰裂傷は裂けてしまった度合いでランクがつけられます。第1裂傷から第4裂傷まであります。
第1裂傷は会陰部の皮膚だけや膣壁の粘膜表面だけが裂傷してしまったかすり傷程度の傷です。第2裂傷は皮膚とその下の筋肉まで損傷がおこるものです。第3裂傷は肛門を締めている筋肉である肛門括約筋が断裂してしまった状態を言います。
第4裂傷は会陰部から肛門まで、または直腸部分まで傷ついてしまった状態を言います。第1裂傷から第4裂傷までこうして裂傷具合で決められます。
第1裂傷や第2裂傷は比較的なる人が多いのでそんなに心配いりません。特に初産婦さんの方が会陰裂傷がおこる割合が高いと言います。
第3裂傷や第4裂傷はなる人は少ないです。特に第四裂傷は稀だと言います。第3裂傷や第4裂傷まで行くと縫合だけでなく下痢にならないように抗生剤を使用したりと術後の治療も大変です。
放置しないで会陰裂傷
病院で出産した時に会陰裂傷になってしまうと医師がきちんと縫合手術を行ってくれるので安心ですが、助産院などで会陰裂傷をおこしてしまった場合は注意が必要です。第1裂傷や第2裂傷は縫合してもらうと痛みも少なく数日で落ち着いてきます。
しかし第4裂傷まで行ってしまい十分な治療をされない場合、膣と腸がつながって膣から便が出る事態になります。こうなると便は菌をたくさん持っているので膣に触れないように人工肛門をつけたりして大手術を行うことになります。きちんとした病院でしっかりと診てもらうようにしましょう。
会陰裂傷を防ぐための予防方法とは
会陰裂傷を防ぐために幾つかの方法を紹介します。
1つ目は会陰の伸びを良くする会陰マッサージです。
妊娠34週程度になって体調が良かったら始めましょう。指にマッサージオイルをつけ、膣の周りをUの字を書くようにマッサージをします。その後会陰と肛門の間を横にマッサージします。小さな円を書くように行うとより効果的です。毎日5分前後、1週間に2回~3回行うと良いです。
会陰マッサージはお風呂に入っている時かお風呂後すぐに行うことがお勧めです。
2つ目は軽い運動です。雑巾がけやストレッチ、膣の引き締め運動などを行うと会陰部の伸びが良くなります。3つ目は温めることです。温めると会陰部分もほぐれやすくなります。
会陰裂傷は誰でもおこる可能性があります。妊娠中に意識して会陰マッサージを行ったり、出産時のいきみすぎに注意しましょう。
まとめ
会陰裂傷と会陰切開の違いは?回数でも違う治し方
会陰裂傷と会陰切開は違うもの
会陰裂傷の原因って何?
会陰裂傷には4度のランクがある?
放置しないで会陰裂傷
会陰裂傷を防ぐための予防方法とは