女性は妊娠すると、お腹の中の赤ちゃんが無事に成長し、産まれてきてくれるか心配になるとおもいます。妊娠中の病気は誰にでも起こり得る可能性があります。母親に慢性疾患がある場合や、年齢などの要因により病気になる可能性が高くなります。
近年では、出産する女性の年齢が上がっている傾向があり、そのためにダウン症の発症率が高くなっています。
そのためにも、 ダウン症 の 検査 についてしっかり把握しましょう。
生まれる前のダウン症の検査
そもそもダウン症とは
通常23組46本の染色体のうち、21番目の染色体が1本増え3本となり、全部で47本になることが原因で起こる、先天的な染色体異常の1つです。原因はいまだにわかっていません。ダウン症の子どもは特有の顔つきをしており、また精神発達の遅れなどがみられます。
出産前診断とは
妊娠中にお腹の中の赤ちゃんの疾患の有無を検査・診断することです。最近の遺伝子レベルの診断方法の進歩に伴い、とても正確な診断が迅速にできるようになりました。
そのため、出生前や出生後の治療により、健康な子どもを得たいという希望に、より安全にこたえられるようになっています。
出産前診断でわかること
妊娠中期以降のおもな出産前診断は、お腹の中の赤ちゃんの奇形、感染症の有無、代謝異常が対象です。超音診断などにより、お腹の中の赤ちゃんの詳細な情報が得られます。また、形態的な奇形だけではなく、心臓や腎臓の機能の評価も可能です。
女性は加齢、つまり歳をとるにしたがい、卵巣内の卵子の数が減少し、卵子そのものにも加齢に伴う変化が生じます。
出生前診断の種類
出生前診断は、妊娠12週から妊娠18週頃までの間に行われる検査で、染色体異常や先天性の病気などがわかります。
検査は2種類あります。1つはスクリーニング検査で、特定の疾患を持っている可能性を予測する検査です。2つは確定診断検査で、ある程度正確な診断が可能です。
出生前診断を受けられる人
妊婦が高年齢(35歳ないし40歳以上)の場合、過去に染色体異常の胎児を妊娠または出産したことがある場合、両親のどちらかが染色体異常の保因者である場合、遺伝病の家族歴があり、遺伝相談で染色体異常の可能性があると判定・指摘された場合、X染色体連鎖性遺伝で、性別診断以外に有効な診断方法がない場合、妊娠中に母体が風疹などに感染している場合が対象となります。
診断には針を用いて細胞を採取するなど、多少なりとも母体や胎児へのリスクを伴います。そのため、不要な出生前診断は避ける必要があります。また、出生前診断を希望していない方には、どんなに病気にかかるリスクが高くても診断を受けないという自由があります。
検査方法
羊水検査(妊娠16週から妊娠18週頃)
超音波検査を行い、胎盤の位置を確認します。確認後に腹部に針を刺し子宮内の赤ちゃんを守る大事な羊水を10~20mlほどを採取し、その中の胎児細胞で染色体の分析を行います。羊水細胞を培養するため、分析には1~2週間ほどかかります。
また、妊娠初期は羊水の量が少ないため、流産の危険性もあります。結果として300回に1回の程度の流産・早産が報告されています。
絨毛検査(妊娠10週~妊娠12週頃)
絨毛とは胎盤の一部で、胎児とは遺伝的に同じです。羊水検査よりも早い時期に行う検査のため、羊水検査よりも流産のリスクを伴います。妊娠12週を超えると、絨毛膜は胎盤となるため、絨毛検査を行うことができなくなります。
超音波検査(妊娠12週頃)
超音波検査で胎児の状態を把握することで、形態異常などのある程度予測できます。この検査は確定ではないため、血清マーカーや羊水検査を受けるかどうかを判断する材料となります。
血清マーカー検査(妊娠15週~妊娠18週頃)
母体の血液の検査により、胎児の異常を判断します。4種類の成分を調べるクアトロテストが行われます。ダウン症や神経管異常であるリスクの値を算定します。結果は確率で示されますが、確定ではないことについても十分な理解が必要となります。
ダウン症の出生前診断の診断方法
染色体分析(細胞遺伝学的診断法)
羊水細胞による胎児の染色体検査です。日本の妊婦の0.5%程度が染色体の検査を受けています。
しかしながら、ダウン症は比較的に軽い異常であるため、その出生前診断には議論があるのも事実です。命の選別になるなどという批判もあります。以上のことを踏まえたうえで、出生前診断をきちんと理解してから結論を出しましょう。
まとめ
産まれる前のダウン症の検査
そもそもダウン症とは
出生前診断とは
出生前診断でわかること
出生前診断の種類
出生前診断を受けられる人
検査方法
ダウン諸王の出生前診断の診断方法