「低出生体重児が多くなっている要因(前編)」では、低出生体重児とはどのような状態なのかをご紹介しました。
後編では、女性の喫煙率の増加や高齢出産が 低出生体重児 に与える影響についてご紹介します。
低出生体重児が多くなっている要因(後編)
女性の喫煙率の増加
日本たばこ産業が毎年、喫煙率について調査しています。20第女性の喫煙率は昭和60年代で6.6%でしたが、平成13年度には24.1%と約4倍に増加しました。そこから現在の平成27年度までは、ほぼ横ばい状態で推移しています。
喫煙を妊娠中に行うと低出生体重児のリスクが高まるという事は承知の事実で、もちろん他者が吸っている副流煙による受動喫煙も同じです。妊娠と同時に禁煙する方はかなり多くいますが、ここで気をつけなければならないのは人付き合いです。
自分は吸わなくても、ついつい今まで一緒に煙草を吸っていた仲間と一緒にいる事で受動喫煙を行ってしまう事があります。産休も余裕をもってとる事が難しい時代ですし、人付き合い、仕事づきあいの中で致し方ないといった環境は多々あります。
最近では分煙等のマナーも広がり社会の理解も得られるようになってきましたが、直接的に低出生体重児につながるといった意識を強く持っている人も少ないので、やはり自己管理の徹底が必要です。
高齢出産による母体への負荷を避けるため、子どもを小さく生ませる
出産は命がけといいますが、出産を高齢で迎えれば迎えるほど母体の受けるリスクは高まります。35歳以上の高齢出産では妊娠時高血圧症や切迫早産も多く、流産に至っては20%程がみられます。その為、母子ともに危険な状態に陥る事もまれではありません。
これらの事を踏まえて、産婦人科では母体へのリスクを考慮し出産に問題がありそうな事態に陥った場合には、胎児の発育が未熟な段階でも出産に踏み切る場合があります。子供の発育を待ち、自然分娩を促せば母体にかかる負荷は計り知れません。
お腹の中の子供にもいつ何が起こるかわからないといったリスクが大きくのしかかってきます。もちろん産婦人科医も完全なる予測はできませんので、より安全な方法を選択しがちになります。その為、早期の帝王切開による出産の選択が優先される事になるのです。
現代医学では超低出生体重児の場合であっても、子どもを生かすことができます。ですからその方向性にかけて、とにかく母子の命の保証を最優先する事が主流になっています。
医師の判断基準と、昔であれば死産になっていた子供も助ける事が出来るようになった医療の進歩も相まって低出生体重で生まれる子供が増加しているといえるのです。もし、高齢出産でも自然分娩を望まれる方は、そういった方針を持った産婦人科医を訪ねる事が大切です。
まとめ
低出生体重児が多くなっている要因(後編)
女性の喫煙率の増加
高齢出産による母体への負荷を避けるため、子どもを小さく生ませる