日本では晩婚化が進み少子化の加速が心配されていますが、実は平成に入ってから日本の出生率は横ばいもしくは微減の状態です。しかし、なぜかその反面で増加しているものがあります。それは低体重生まれる子供の増加です。
昭和35年で2500g以下の 低出生体重児 の割合は出生総数の7.1%です。この時期は高度成長期のさなかで栄養も十分に補えなかった時代でもあります。そして、それから少し時代は進み、経済的にも余裕が出てきた昭和50年台になると5.1%にまで減少します。
しかし現代、昭和の頃に比べてさらに、経済成長、医療の進歩がなされ、栄養も豊富にとれる時代になったはずなのですが、9・6%と増加の一途をたどり、昭和50年を節目にどんどん増えてきているのです。
低出生体重児が多くなっている要因(前編)
低出生体重児とは
低出生体重児とは総称であり、具体的には生まれた時の体重によってその呼び名が変わります。2500g以下で生まれてくると低出生体重児といい1500g以下で生まれてくると極低出生体重児、1000g以下だと超低出生体重児と表現します。
一般的に未熟児という呼び名で知られていますが、現代ではこのように分類されています。多くの原因は早産にあります。
基本的には妊娠22週から37週未満で生まれた赤ちゃんが低体重ですが、中には子宮内胎児発育不全といい妊娠満期を迎えているのにも関わらず、赤ちゃんの体重が増えないといった事もあります。
しかし、現代においては栄養管理も容易にできますので子宮内胎児発育不全で生まれる赤ちゃんは減少傾向にあります。低出生体重児の増加は年々増加の一途をたどっている状況です。不妊治療の進歩によって双子や三つ子の出生率が増えたことも一つの要因として挙げられます。
予後としてはNICUなどで高度な医療が受けられるようになり超出生体重児の赤ちゃんでも生存する事が出来るようになっています。厚生労働省の調査によると全体の出生数の1割が低出生体重で生まれてきます。
お母さんのスタイルが良くなった!!
低出生体重児となる原因は主に、赤ちゃんへ供給される母体からの血流が不十分であったがために起こる事が殆どです。母体と赤ちゃんはへその緒でつながりそこから酸素と栄養のすべてを受け取っています。
つまり、母体の血流が阻害される何らかの因子があれば低出生体重の子供が生まれやすいという事です。ですので、喫煙、飲酒はもちろん母体の血管収縮を引きお越しますので控えるよう言われるわけです。
母体の高血圧も実は赤ちゃんへの栄養供給の阻害因子となります。胎盤に血圧がかかり過ぎてうまくへその緒から赤ちゃんに栄養が行き届かないといった事に繋がります。しかし、このような原因はもちろん産婦人科医も指摘しますし、一般的にも自分で気にするところです。
ただ、一つ意識が向きにくいところが現代のお母さんによくみられます。それは美意識です。つまり体が細く痩せている事が良いとされる現代の風潮が低出生体重児の増加を生んでいるといえるのです。母体のお腹かが細くて小さいと赤ちゃんが大きく育つスペースがありません。
スペースがなくなるとどうなるかといいますと、赤ちゃんが早く生まれてこようとしてしまうのです。子供を産む前は女性として、子どもを身ごもったら母として、そして子供が生まれてきたら母であり女性として生きていく、といったメリハリをつけて考えられるといいと思います。
後編では、女性の喫煙率の増加や高齢出産が低出生体重児に与える影響をご紹介します。
まとめ
低出生体重児が多くなっている要因(前編)
低出生体重児とは
お母さんのスタイルが良くなった!!