以前は「妊娠中毒症」と呼ばれていましたが、あらゆる面から見直され現在では「妊娠高血圧症候群」と呼ばれるようになりました。
妊娠中期以降に高血圧を生じる場合に診断され、およそ妊婦さん10人に1人の割合で発症します。 妊娠高血圧症候 群が及ぼす影響を知り、早期に改善できるよう心がけましょう。
妊娠高血圧症候群について理解し、早期に対処しましょう(前編)
妊娠高血圧症候群とは
以前は妊娠中期以降~出産後6週に高血圧、蛋白尿、浮腫のいずれか1つ以上当てはまる場合を「妊娠中毒症」をよんでいました。
しかし、浮腫は妊婦さんの約30%でみられる症状であり、また、高血圧が最も母子の障害に直接関与していると分かってきたため、2005年より定義が見直されるとともに「妊娠中毒症」という言葉が廃止され、「妊娠高血圧症候群」という言葉に改められました。
妊娠20週~出産後12週に高血圧がある場合、あるいは高血圧に蛋白尿を伴う場合に妊娠高血圧症候群と診断されます。ただし、妊娠前より高血圧や蛋白尿がある場合は別の病名で診断されます。
収縮期血圧140mHg以上または拡張期血圧が90mHg以上、あるいはその両方の場合に高血圧と診断されます。
妊娠高血圧症候群は妊婦さんの約10%程度で発症し、早期に発症するほど悪化する傾向にあります。現在、妊娠高血圧症候群のはっきりとした原因は分かっていませんが、妊娠にお母さんの身体が上手く順応できない場合に発症すると考えられています。
妊娠高血圧症候群のハイリスクになりやすい人
母体年齢が35歳以上の高年初産や15歳以下の若年出産の場合に妊娠高血圧症候群になりやすいと言われています。また、基礎疾患に高血圧、糖尿病、腎疾患がある場合も妊娠高血圧症候群になりやすい傾向にあります。
初産婦さん、前回出産から5年以上空いている経産婦さん、前回の妊娠時に妊娠高血圧症候群と診断された妊婦さんも妊娠高血圧症候群のハイリスクとなります。多胎妊娠の妊婦さんも妊娠高血圧症候群になりやすく、他の妊婦さんと比べ負担も大きくなります。
その他、極端な肥満や痩せの人、ストレスや疲労を溜め込み、睡眠不足の人、感染症がある人などが妊娠高血圧症候群になりやすいと言われています。
後編では、妊娠高血圧症候群の治療法や予防法をご紹介します。
まとめ
妊娠高血圧症候群について理解し、早期に対処しましょう(前編)
妊娠高血圧症候群とは
妊娠高血圧症候群のハイリスクになりやすい人