常位胎盤早期剥離 は出産をする前に胎盤がお腹から剥がれてしまう疾患です。原因は解明されておらず、症状がおきてしまうと母子ともに命に危険のおよぶ怖い病気になります。
自分と子供の命を守るためにどのようなことに気を付け、いかにすぐに対応ができるかが重要なポイントになってきます。
常位胎盤早期剥離とはどのような病気?
常位胎盤早期剥離とは?
通常、胎盤が子宮から離れるタイミングは赤ちゃんを出産後、15分から30分ほど経った後といわれています。しかし、なんらかの原因によって、赤ちゃんがまだお腹の中にいる状態で胎盤が子宮から剥がれてしまう場合があります。これを常位胎盤早期剥離とよんでいます。
常位胎盤早期剥離がおきてしまうと、出血がおこり胎盤と子宮の間に血腫ができてしまいます。この血腫が弊害となり、赤ちゃんに必要な酸素や栄養が届かなくなってしまうという怖い病気なのです。
常位胎盤早期剥離のリスクは?
常位胎盤早期剥離がおきてしまうと、母体、胎児ともに影響があります。まず、胎児にとっては酸素や栄養がうまく届かなくなってしまうため、命が危ぶまれます。
胎盤が剥がれる面積によって酸素の供給量は変わってきますが、緊急帝王切開などで命が助かった場合でも脳に傷害が残ってしまう場合などが考えられます。
また、母体にとっての影響としては胎盤後血腫で血液の質が変化してしまうと、血液が固まりにくくなってしまうDICという症状を引き起こしてしまう場合があります。
すると、体内から出血が大量におきてしまうため、出血性ショックや肝臓や腎臓などの多臓器不全がおきてしまう場合があります。
また、状態によっては子宮を全摘出しなければならないこともあります。今後の妊娠に関係するだけでなく、母体の命にも関わってくる場合もあります。
常位胎盤早期剥離がおこりやすい人の特徴
常位胎盤早期は剥離に関わる原因はいまだに解明されてはいませんが、症状をおこしやすい人の特徴はわかっています。
妊娠高血圧症の方や、胎児奇形、子宮内での発達遅延、常位胎盤早期剥離の既往歴がある妊婦さん、喫煙者、腹部への外部からの強い刺激などがあると常位胎盤早期剥離はおきやすいといわれています。
そのほかにも、バセドゥ病、腎炎、子宮筋腫などの合併症としておきる場合もあります。症状がおきる確率としては、全体の0.5%から1.3%ほどと少ないといわれていますが、危険度はかなり高い疾患になるので注意が必要です。
また、再発のリスクが高いといわれており、常位胎盤早期剥離の既往歴がある場合にはより症状がおきる確率は高くなります。
常位胎盤早期剥離の兆候は?
症状の進行具合や重症度は個人差があるといわれていますが、常位胎盤早期剥離がおきてしまうと、お腹に激痛がおきることが多いといわれています。
その場から動けないほどの腹痛があり、お腹が板のように硬くなる、不正出血、胎動が弱くなるなどの症状がある場合には常位胎盤早期剥離の可能性が高いので、すぐに病院へ搬送してもらいましょう。
症状が軽度の場合には、不正出血や痛みなどの自覚症状は少なく、超音波の検査でも発見しにくく、兆候がわかりにくいといった特徴があります。重症度になると不正出血や激しい腹痛などで疾患を発見することができます。
早期発見、迅速な対応が必要
常位胎盤早期剥離は原因がはっきりしておらず、症状を急に発症してしまうことが多いため、予防することは難しいといわれています。そのため、早期発見や発症してしまった場合の迅速な対応が重要になってきます。
まず、早期発見するためには、定期的に妊婦検診へ通うことや血圧の管理、禁煙、気になることがあれば早期に受診をするなどをおこなうことがおすすめです。
もし、症状がいきなり起こった場合には、すぐに病院へいき救命処置をおこなってもらうことで、母子ともに命を救うことができる確率が高くなります。
まとめ
常位胎盤早期剥離とはどのような病気?
常位胎盤早期剥離とは?
常位胎盤早期剥離のリスクは?
常位胎盤早期剥離がおこりやすい人の特徴
常位胎盤早期剥離の兆候は?
早期発見、迅速な対応が必要